投票行った?って話せるっていいね

投票行った?って話せるっていいね

#くらしのこと

2021/10/30

どうせあんまし変わらないしなあとぼんやりとしていた自分にはきっともう戻れないし、戻らない。
2021年10月31日、明日は、総選挙。ここ数年間の政治を評価し、このさき数年間の政治を方向づける大切な選挙だ。
正直これまで、投票してもしなくてもさほど(ものすごく悪いほうには)変わらないだろ〜という楽天的な思い込みをしてきた。政治にいる人たちは私利だ私欲だようわからんおじさんグループで構成されているし、そのひとたちを支える基盤はどうも磐石らしく、若者がピィピィ言ったって如何ともしがたい流れがあるように見えてしまうし、誰がどのような政治をしようともたいして現状が悪くはならない、気がしていた。だって日本は他の国と比べてたぶん平和だし、たぶん豊かだし、まあ自分困ってないし。それがガラガラと変わったのがここ数年、特にちいさなしごとをはじめてみたら「え、なんで?」と思うことがグンと増えた。頑張っても報われないとか、必要な保護を貰いたいのに貰えないとか、生々しい困惑や困窮を目の当たりにして、たくさんの人と対話を重ねた。加えて、同性婚を認めないとか(なぜなの?)選択的夫婦別姓が有耶無耶にされるとか(選択的だよ?)あれ、もしかして日本ってとんでもなく遅れてるんでは?と嫌な予感がした。それから、いまの日本を自分の目でしっかりと見渡してみたら、じっさいの日本は、思い込んでいた日本と、だいぶ違った。他の国と比べても、あたりまえの権利が守られてなくない?貧しい人がとても多くない?そして、自分も困ってるな??
それでやっと目が覚めた。これまで思い込んでいた日本は「こうあったらいいな」の幻想に近く、じっさいは理不尽に認められていない権利があり、貧しいひとはとっても多く、自分も周りもしっかり困ってた。どうしてこれに気づかなかったのだろうと振り返ると、「自分で考えたこと」があまりにもなかったことに思い至る。国ってなんだ。政治ってなんだ。選挙ってなんだ。自分ができることはなんだ。できないことはなんだ。自分の言葉で、頭で、考えたことがあまりにもなかった。今の状況は、そうやって思考放棄してきた結果なんだろう。2017年の前回衆院選は投票率56.38%。年代別だと二十代は投票率が最低だったそう。
それで今回の選挙については初めて、自分で考えた。自分でというのはひとりでという意味ではない。今回は、喫茶おおねこにきてくれたお客さんと、友人らと、バイト先の常連さんと、家族と、恋人と、話してみて、言葉になったり、言葉にならなかったりして、意見がぶつかったりもして、分からなさを共有して、いっしょにもやもやし続けた。
ベストは出ないけどベターな選択をしたいと思いながら、投票用紙をボックスにすべり込ませるまでずっと眉間に皺を寄せていた。(すべり込んで落ちていく投票用紙をこれでよかったのだろうかとじーっと見た。)投票所を出ても、今でも、眉間に皺が寄る。けっきょくは、小選挙区は自民党と立憲民主だったので立憲民主の立候補者の名前を書いた。比例は立憲民主にするかれいわにするか迷った。ひとりでもおおく弱者に視点を持つ人が政治の場にいてほしいという気持ちがどうしてもあって、迷って迷って、れいわに入れた。
最高裁判所裁判官の国民審査のところは、これまた初めてじっくり調べて、同性婚と選択的夫婦別姓に賛成していないひとにバツを付けた。
総裁選の結果は、明日10月31日(日) わかる。
自分のなかでも自分の周辺でも政治がこれまでになく身近になった選挙だったのではないかと思う。だってほんとうにそれぞれに困ったもんね私たち。明日食っていけるのかって。安全安心な暮らしはどこにあるのかって。いつ日常が戻るのだろうかって。そういう不安が生活のど真ん中に染み出してきてようやく自分の生活と政治の近さに気づいた。ねー選挙だよねぇー。小選挙区誰にする?へえ〇〇区はそんな感じなんだ。あとさー比例はどこにするー?決めた?決まんないよねー。あーどーしよ。ねー。そんな、これまでしたことない会話をたくさん聞いたのがここ数週間。
どうなるかね、どうなるんだろうね。
どんな結果になっても私たちの生活は続くから、これからも自分の生活と政治の交わりをつぶさに観察して、みんなとも気楽に語らって、ときに声をあげて、手を動かして足を動かして、考えて考えていきたいと思うのでした。

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